こんにちは。デイサービスで相談員を9年目になるレイレイと申します。これまで、一般型通所介護、認知症対応型通所介護、リハビリ特化型通所介護、地域密着型通所介護で相談員の経験をしてきました。
デイまめブログでは、僕自身が赤字経営のデイサービスに配属され、一年で黒字化へ転換できた経験をもとに、デイサービスでの業務改善や、稼働率アップにつながる情報を発信しています。現役の相談員さんの抱える悩み解決のヒントにしていただけたらと思います。
今日は連絡帳について取り上げるよ!
連絡帳の改善は、どの事業所でも課題にあがる点ですよね。ご様子報告やご家族との連絡ツールとして大切な業務である一方、作業的な側面も大きく、ここを効率化できれば、貴重な時間が生まれます。
時間が作れれば、そのほかに色々とできることが増えるよね。
ご利用者とケアに注力しやすくもなるよね。
しかし、毎日のルーティン業務を変更するには「えいやっ!」とかなりの勢いと覚悟が必要だと思います。僕自身も何度も話し合いを行ってきましたが、ここの業務改善はなかなか上手くいきませんでした。
チームケアにおいて話し合いは大切ですが、皆さんにはあまり時間を無駄にしていただきたくない…
で、今回記事にすることにしました。ぜひ参考にしていただければと思います。
連絡帳の目的を改めて考える
そもそも論からいきます。デイサービスにおける連絡帳の使用目的を挙げてみます。
- 利用者の自宅での様子や体調の共有
- 利用スケジュールについて(おやすみや、振り替え利用の希望)
- ご家族からの要望、デイサービスからのお願い
- 医療的情報について(受診結果やお薬の変更など)
- デイサービスでのご様子やサービス実施の報告(活動・食事・入浴・排泄)
- ご利用者との交換日記的なもの
- 利用請求書やデイだよりなどの配布
ざっとこんな感じでしょうか。
連絡帳を経由してさまざまな情報をやり取りしていることが分かります。こまやかなやり取りを行うことで、ご利用者・ご家族との信頼関係を築くことにもつながっています。
また必要に応じて、連絡帳は法的な記録として機能することもあります。何か問題が発生した場合、連絡帳は事実関係の確認に役立つこともあります。
介護保険法上では、「連絡帳は絶対に作らなければいけないわけではない」ということはポイントです。介護ソフトなどで、バイタルデータやご様子のケース記録が残せていること、また必要な情報がご利用者・ご家族へ伝達・共有できていることが重要です。
連絡帳の業務にかかる時間はどれくらい?
連絡帳のタイプや内容、デイサービスの規模や利用者数によっても変わってきますね。ここではシンプルにご利用者1人分の記載にかかる時間を考えて見ましょう。あくまでも僕の肌感覚です。
バイタル、食事、入浴、排泄、ご様子の報告を記入するとして
ノートタイプの場合は、記入のみなので、1人あたり約1、2分くらいでしょうか。
独自にエクセルのフォーマットを使用している場合は、編集+印刷+記入+挟み込みなので、1人あたり約3、4分くらいでしょう。
介護ソフトから印刷できる場合は、日付やバイタル情報が自動で反映されてくるので、ご様子の入力+印刷+追記+挟み込みなので、1人あたり約2、3分くらいでしょう。
ご利用者の状況、日々の出来事、そして記入する職員の経験やスキルにより大きく変わってきますが、いずれにしても、1人分を作るのに1分以上はかかりますよね。
連絡帳のタイプによっても、良し悪しのある連絡帳ですが、重要なやり取りや、信頼関係を築くツールにもなるため、おろそかには出来ない。
ご利用者が30人、40人と人数が多ければ、それだけ時間がかかります。では次に、連絡帳に関る業務の効率化できるポイントを考えてみましょう。
できる改善点はこんな感じですね。
改善点はこんな感じ
転記を減らす、なくす
転記作業の例としては
バイタルを手元の紙に書き込む→当日の利用者リストに書き込む→連絡帳に書き込む
といった感じですね。
この転記作業が現場のルーティンになっているのであれば、優先度の高い改善点です。転記をなくすことで簡単に時間を短縮することができるからです。
可能なら、介護ソフトの中にある連絡帳機能を利用しましょう。ソフトに入力さえすれば、バイタル情報が反映されるので連絡帳に書き込む必要がなくなります。
また、介護ソフトによっては、体温計や血圧計とBluetoothで連携するものもあり、ワンタッチでタブレット端末に入力されるため、スピーディな入力に加え。転記ミスを無くすこともできます。
挟み込みの時短化
特に連絡帳の挟み込みは、単純な作業ですが、ペーパーファスナーを使うことで、手間がずいぶんと軽減されます。
何度でも折り曲げられる素材でできており、つけ外しがとても簡単になりますよ!ファイルへの挟み込みのスピードが大幅にアップ!
同じような工夫ですが、Dリングファイルを使うのも良い方法です。
ペーパーファスナー同様に、挟み込みがとても簡単ですね。ただし、連絡帳の幅があるので、かさばってしまうのがデメリットとなります。30冊分のファイルは結構なボリュームです(汗)
挟み込まないタイプのものにする
ファイリングするのではなく、クリアファイルにエクセルで作成した用紙を挟むだけのシンプルなものに変更するのも、作業の効率化に大きく繋がります。
僕の事業所では、この方法をとっています。以前はノートタイプのものでしたが、連絡帳へのコメントの記入にかなり時間を要していました。
また、次に挙げる簡易版を基本とすることで、記入の負担を大幅に減らすことができました。また血圧の推移なども分かりやすくなるメリットも生まれます。
さらにクリアファイルであれば、描かれた塗り絵や、請求書、計画書なども挟むことが容易となり、わざわざ封筒に入れる必要もなくなります。
簡易版と通常版とにわける
簡易版には、日付、バイタル、記入した職員の名前、備考欄のみのものにします。ご様子については省きます。ご様子に変化があり特別にお伝えしたいことがあるなら、備考欄に追記したり、付箋メモなどで情報を加えます。
通常版には、日付、バイタル、食事、入浴、排泄、ご様子、記入した職員の名前を書き込めるものを使用します。ただしご様子の記入欄は2行ほどの少ないスペースにしておきます。
本当に大切な報告であれば、ご家族へ電話連絡しますし、お送り時に口頭でもお伝えするからです
認知症が深い方やご家族からの要望がある場合は、通常版にしましょう。
連絡帳をなくしてしまう。
連絡帳をなくしてしまうことも、すぐにできることです。独居で自立度の高い方の場合、連絡帳は不要と思われている方もおられます。そんな場合は、介護ソフト自体にデータとして残されているので、あとからバイタル情報を印刷することで十分です。
スマホアプリへ切り替える
例えば保育園のようにポータルサイトを使って、全てスマホで確認できる仕組みを利用する方法もあります。
そうなれば転記や連絡帳の紙すら不要になります。
ただし、現時点では、まだ実装されていないのが現状です。将来的にはデイサービスの連絡帳はアプリ化され、誰もがスマホで確認できるようになると予測されます。
まとめ
今回は連絡帳の業務改善についてご紹介しました。
単純作業を素早く行えることは、スタッフのストレス軽減につながり時間を生み出すことにつながります。
生み出せた時間をご利用者との時間や、別の業務に充てることができれば職員の働きやすさはもちろん、ご利用者の満足度向上につながると思います。
是非、取り組んでみていただければと思います。
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